第零話:春のうららかな陽差し「青い列車と橙色の横浜駅と瑠璃色の恋」・・竹内まりや「駅」
- 3月27日
- 読了時間: 3分
私は、彼と別れた。2年前。今も鎌倉に住んでいた。あの時と別の場所で。
思いを断ち切れないかのように。
それ以来、スマホばかり見ている。彼との過去のメッセージも見てしまうわ。
(心が真空状態。)
考えないようにしても、彼の、あの、輝いている眼を思い出す。
(なんか、彼は、手が暖かかった・・)
(あの銀色のレインコート。土砂降りの雨の中、私を駅まで迎えに来てくれた・・)
(肌触りまで覚えてるわ。あの白い肌を、私。)
(あっ、また、彼の携帯番号を、押しそうになった。)
(でも、これだけは、消せないわ。)
琴美は、本当は、まだ、彼の事を愛していた。心から。
太陽が、その理由は、太陽は、結婚しない主義であった。
琴美は、彼の子供が欲しかった。彼を愛しているから。
それが叶わぬ夢とわかり、
2年前、琴美から、何も言わずに去っていったのであった。
2人は、昔、鎌倉で住んでいた。
(だめだめ。考えちゃだめ。自分でそう結論を出したんだから。)
(それに、もうきっと、あの人なら、付き合っている人がいるわ。きっと。)
(あの人、朝が弱いけど・・。ダメダメ。考えちゃだめ。)
(部屋にいないほうがいいわ。外に出ましょうかしら。)
私は、自分を奮い立たせるように、外に出た。
外は、快晴であった。青い空が透き通るようだった。
(久しぶりだわ。太陽の光を浴びるのは。)
(なんか、胸がスーッとする。)
わたしは、しばらく、歩いた。
近くから、子どもたちの元気な声が聞こえてきた。
(あの公園からだわ)
(久しぶりに、公園にでも行ってみようかしら。)
ベンチに座り、子どもたちの遊んでいる姿をぼーっと見つめた。
(あ、あの子転んだわ。)
体が、勝手に動いていた。いつの間にか、その子の、手をぎゅっと握り、
「大丈夫?。怪我してない。」
そして、私は家に戻った。
(あの子の手の温もり)
(なんか、彼に似てる。)
(暖かかったわ。とても。)
なぜか、私の心には、暖かさが戻っていた。
(春の陽差しのせい?)
私は、部屋のカーテンをレースのみにして明るくした・。
春の日差しが部屋に入ってくるように・・。
光は、部屋の中の、ダイアモンドのような色のダストを照らした。
部屋の中は、光で満ち溢れ、暖かさに満ちていた。
(そうだ!。大好きなAkikoのメウ・コラソンをかけてみようかしら)
(久しぶりに。)
(なんだろう、少しワクワクしてきたわ。)
(きっと!)
(心のなかに春の陽差しが入ってきたんだわ!!)
(ありがとう。春の陽差し。)
(新しい出会いがきっと来るわ・・・・。)
翌朝、琴美は、いつもより、鮮やかで輝くカーマイン色の口紅をして、
いつもの会社に出かけた。
「おはようございます。」
琴美の声は、昨日より、少しだけ大きかった。その部屋の社員全員に聞こえた。
琴美の同僚、望海
「どうしたの琴美、なんか先週と違う。何かあったの?」
「その口紅、その色は特別じゃなかったっけ?」
琴美は翌日、横浜駅にいた。色が飛び交う横浜で、いろんな物を見ようと・・・。
つづく。
2023-09-23 11:29:14



