「ひとつぶのしずく」最終話
琴美は、寂しく、自分のアパートに着いた。
そして、怪我した膝を、消毒し、絆創膏を貼った。
だが、列車のことで、集中できてなかった。
冷蔵庫に入っていた、お弁当を食べようとした。
なぜか、烏龍茶は、2つ用意してあった。
2年前、別れた後も、ずっとそうしていた。
その時、琴美の玄関のベルが鳴った。
(何かしら。何も頼んでないわ。)
そう心のなかでつぶやきながら、玄関に向かった。
琴美はそっと、チェーンロックしたまま、ドアを開けた。
なぜか、鼓動が高まっていた。
琴美は、信じられないものを見た。
そこにいたのは、さっき陰から、見つめていた太陽の姿だった。
10秒、あるいは、20秒くらい、
2人は、見つめ合ったまま、動くことができなかった。
永遠の時が過ぎた後、琴美の左目から、また、ひとつぶのしずくが落ちた。
太陽の右目からも、ひとしずくのしずくが落ちた。
何も言わなくても、2人は、相手の気持がわかっていた。
琴美はチェーンロックを無意識に外していた。
「琴子。どんなに会いたかったか。」
「私も、いつもあなたの事ばかり・・・。」
2人は、抱き合った。
何も言わなくても、2人は、思っていることがわかっているかのようだった。
そして・・・・
太陽「結婚しよう。そして2人の子供を!」
琴美「あなた、そう言うの、待ってたわ!。」
「ずっとずっと。1度も忘れたことないわ。」
太陽「もう、俺から離れないでくれ!。お願いだ!」
琴美「絶対に離れない!。」
琴美のアパートのテーブルで、2人は、横に並んで座り、
しっかりと手を繋いでいた。
太陽が、横浜駅で買った、一番高いお弁当と、一番安いお弁当は、
2人で半分ずつ食べた。
2023-09-17 21:13:54



